「世界らん展日本大賞2006」は2月18日(土)〜26日(日)を会期として、東京ドームで開催された。一般公開の前日17日(金)には16時15分から、オープニング・セレモニーと特別内覧会が行われた。
オープニング・セレモニーは服部真湖さんの司会進行で、先ず、主催三団体(読売新聞、NHK、世界らん展組織委員会)を代表して、読売新聞グループ渡辺恒雄会長が、「16回目になる今年のらん展も、各国からご参加を頂き、10万株の出品と40万人を超える人が集まる祭典となった」と開会の挨拶。続いて高円宮妃久子殿下から「国内外とも暗いニュースの多い今日、この美しい和やかなランの様な、穏やかな世の中になって欲しいもの」との祝辞と流暢な英語で、参加の各国大使館夫人にお礼を述べられた。次に長勢内閣官房副長官が小泉首相の祝辞を代読され、英国王立園芸協会サーリチャードカルー・ポール会長から、「世界でも最も盛大でレベルの高い蘭展」との賛辞があった。
来賓並びに主催者側の紹介があり、世界らん展の賞構成の説明が行われた後、部門1個別審査部門から部門6寄せ植え審査部門までの最優秀賞が発表され、受賞者に東京藝術大学名誉教授西大由氏デザインのトロフィー、賞状、賞金が授与された。
日本大賞には過去四人目、昨年に続いてアマチュアが受賞。蕃世英氏で橋本NHK会長よりトロフィーと賞状が渡され、副賞として(株)ヤナセからベンツC180のゴールデンキーが贈られた。
各部門の最優秀賞の表彰を終えて、ファンファーレーが鳴り響き、福原、橋本、渡辺、島津貴子、サーリチャードカルー・ポール各氏によるテープカットが行われ、音楽に合わせて式場の背景をなしていた扉が開き、列席者が会場内に歩み入って特別内覧会となった。
★ 個別審査部門
日本大賞 Masd.
Tuakau Candy‘Lovely
蕃 世英
冷涼を好むマスデバリア栽培に最適の宮城県蔵王山麓でペンション経営をされている方。
F1交配種でややオレンジ色を帯びた白色地に、紫赤色の鮮明なストライブの入った100輪を超える花が一斉に開花していた。
★ フレグランス審査部門
Trpla. fragrance‘Sea Cirt’ 重田悦子
花茎が12本も立ち白い小花が多数咲き、フレグランスという種名にふさわしいジャスミン系の甘い香り。
★ ディスプレー審査部門<オープンクラス>
最優秀賞 日光ロマンチック街道「こころの旅」
栃木県洋蘭生産組合
高品位な胡蝶蘭・カトレア・オンシジュームなどを配置し、滝と川を取り入れたデザインはよく計算された構成になっていた。
★ ディスプレー審査部門<愛好家クラス>
最優秀賞 「和(なごみ)のとき」 川崎洋蘭クラブ
ランのタワーが全体を纏め上げ、岩と古木に池を配して、装飾にも工夫が見られた。
★ フラワーデザイン審査部門
最優秀賞 「東洋の印象」 田島直人
和紙など「和」を感じさせるベースに、東洋的な可愛いらしい洋蘭を使い、らん展デーマ「和の心」を表現。
★ 美術工芸審査部門
最優秀賞 アートフラワー「夜明け」 薮内弘子
カトレアの花を、黒から赤へのグラデーションで「夜明け」、単純なモチーフと構成が認められた。
★ 寄せ植え審査部門
最優秀賞 「オペラ座の洋蘭」 座間洋らんセンター
色合い、配置ともバランスよく纏めていた。
(文責:香川)
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