このコーナーでは、例会に出品される展示花の中から、誰も振り向かないかも知れないがとても珍しい形態の花、栽培が難しく今回限りの期間限定公開になるかも知れない花、ごく一部のマニアックな人だけが興味を示すような花、そもそも花がついているのかどうかわからない???そのような、人気投票の対象にはなりにくい花、言い換えれば蘭友会会員の趣味の深さ(行き着くところまで行ってしまったとも言うが・・)の真骨頂とも言える花を、さらに担当者の独断と偏向的興味に基づいて取材し展示しています。 例会の展示テーブルではわけのわからない花でも、写真になってゆっくり見ると 「おおっ!!」となるような美形になったり、ますますわけのわからないものに見えたり ・・・・題して「出品花、アッと蘭だム!・無作為抽出ご免被る!!」 選ばれた花ははたして名誉なのかどうか、そのような評価もご覧になる方々の蘭に関する深い造詣とウンチクにお任せ致します。 |
平成15年4月の例会から 今月の担当:三宅八郎(文・撮影) |
1:Nanodes medusae (栽培:清水達夫)
メデューセと名が付くとモジャモジャした奇っ怪な花という印象があるのですが、これも例外ではありません。メデューセなのです!なんて親父のダジャレですが、もとはエピデンドラム・メデューセ、 カトレアに近いとは思えない花です。エクアドル産の着生蘭です。 Nanodes medusae |
2:Den. dichaeoides (西村誠)
花はなにやらごちゃごちゃして構造はよくわかりませんが、このバルブを見てください。 季節柄、ハチクのタケノコ風じゃぁありませんか。我が国では、セッコクを鑑賞するとき花ではなく 「飴軸」などと称してバルブを愛でる習慣がありますが、このバルブには、鑑賞に値するユーモアのようなものを感じませんか? Den. dichaeoides |
3:Macodes lowii (栽培:小林晃)
マコデスといえば、ジュウェル・オーキッド、我が国ではシュスランの仲間がこれにあたります。 ジュウェルオーキッドは葉を愛でるもの、花を見てはいけない(とてもがっかりする)。 しかし、この花はなんともおもしろいかっこうをしていますし、写真で見る限り、けっこう鑑賞に値する形です。え??、なぜ別々の写真なのかって?? それはですねぇ・・・葉に比べてあまりにも花が小さいのですよ。 だから「あっとランダムに」出てくる資格があるんですね。別々にご鑑賞下さい。 Macodes lowii |
4:Ceratochilus biglandulosus (松澤正二)
いかにも、クールな感じの花です。それもそのはずジャワ、スマトラの標高2000mあたりの雲霧林に生育する蘭で、花の直径は1.5cm。蘭の唇弁はポリネータを誘惑する道具と相場は決まっていますが、この花はよくよくへそ曲がりなのか、緑に黒い点があるのみ。 ところで、写真を撮っているときには黄色い斑点のように見えたのですが、帰宅してモニターいっぱいにして画像チェックをしていたらアブラムシが2匹ついていました。よく見ると黄色くてひげが長くて意外にかわいい。虫をよく鑑賞したい方は、ウェブマスターまでご連絡下さい。大型画像を進呈いたします。 おおーーっと、リップにもう一匹いた! Ceratochilus biglandulosus |
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