このコーナーでは、例会に出品される展示花の中から、誰も振り向かないかも知れないがとても珍しい形態の花、栽培が難しく今回限りの期間限定公開になるかも知れない花、ごく一部のマニアックな人だけが興味を示すような花、そもそも花がついているのかどうかわからない???そのような、人気投票の対象にはなりにくい花、言い換えれば蘭友会会員の趣味の深さ(行き着くところまで行ってしまったとも言うが・・)の真骨頂とも言える花を、さらに担当者の独断と偏向的興味に基づいて取材し展示しています。 例会の展示テーブルではわけのわからない花でも、写真になってゆっくり見ると 「おおっ!!」となるような美形になったり、ますますわけのわからないものに見えたり ・・・・題して「出品花、アッと蘭だム!・無作為抽出ご免被る!!」 選ばれた花ははたして名誉なのかどうか、そのような評価もご覧になる方々の蘭に関する深い造詣とウンチクにお任せ致します。 |
平成15年5月の例会から 今月の担当:三宅八郎(文・撮影) |
1:SP sp(栽培:小林晃)
インドネシア産の蘭であるが、まったくもって不詳不明、目下調査中。 SP sp |
2:Ascocentrum ampullaceum(栽培:石井治)
蘭屋でよく見かける単茎種であるが、だいたい、すすけたさえない花が咲く。しかし、この花は違った。理事会の最中、なにげなく展示テーブルに目をやったら、とにかく鮮やかに光っていた。 ふつう、例会の撮影ではせいぜい2,3枚しか撮影しないが、この花は、忠実な色再現のために、 7枚も撮ってしまった。ほんとうにこんな色なのですよ Ascocentrum ampullaceum |
3:Neofinetia hybrid(栽培:嶋野忠介)
展示テーブルの上にあって、とても涼しげであった。こいつを軒にぶら下げるか、縁側に置くか・・・浴衣がけにビール、風雅な甘い香りだけで、つまみは不要。 Neofinetia hybrid |
4:Broughtonia sanguinea var aurea(栽培:脇本 正勝)
写真屋用語にネガシャンということばがある。現物はともかく写真写りのいい被写体のこと(とくにモデルさんに対して・・・)をそう言うのである。 例会の会場では、ただ白っぽい花がふわふわと咲いているだけに見えたが、よく見ると花弁がきらきらしている。 撮影場所に持ち込んで少しだけバックライトを当てたらごらんのような画像に・・・リップに一条、薄く刷毛で掃いたような紅紫、花弁には薄桃色。 典型的なネガシャンで、どちらかと言えばフォトギャラリー向きの花だ。早朝の窓辺で、自然光の中で撮影してみたい。そうなれば、やはり自分で咲かせる以外ない・・・ Broughtonia sanguinea var aurea |
5:Den sp(栽培:小林晃)
会場に置かれていた時はなんとも思わない・・・これがデンドロかよぅ・・・葉っぱばかりじゃないの、それに花が小さい・・しかし、よく見ると花弁が純白で磁気質、おまけに刷毛ではいたような紅をさしている。 横で所有者の小林氏が、きれいだろきれいだろきれいだろきれいだろ・・・と何回も言うので、とにかく撮影場所に持ち込み、ファインダーを覗き込んで、思わず、Wow!きれいだきれいだきれいだきれいだ・・・と何度も言ってしまった。 Den sp |
6:Sigmatostalix guatemaraensis(栽培:香川義煕 )
ハイ、ならんでならんでぇ・・・そこのーーっ、よそ見しない!手をふらない!! なんとなく、運動会の入場行進である。温室の片隅でこの鉢を手にニコニコしながら「今年も来てくれたねぇ・・・・」と声をかけている所有者の後ろ姿が見えるような、そんな雰囲気を持った花である。 ラン友諸兄よ、例会には虫眼鏡を持参しようではないか。こんなおもしろい花を見逃すてはないですよ。 Sigmatostalix guatemaraensis |
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