このコーナーでは、例会に出品される展示花の中から、誰も振り向かないかも知れないがとても珍しい形態の花、栽培が難しく今回限りの期間限定公開になるかも知れない花、ごく一部のマニアックな人だけが興味を示すような花、そもそも花がついているのかどうかわからない???そのような、人気投票の対象にはなりにくい花、言い換えれば蘭友会会員の趣味の深さ(行き着くところまで行ってしまったとも言うが・・)の真骨頂とも言える花を、さらに担当者の独断と偏向的興味に基づいて取材し展示しています。 例会の展示テーブルではわけのわからない花でも、写真になってゆっくり見ると 「おおっ!!」となるような美形になったり、ますますわけのわからないものに見えたり ・・・・題して「出品花、アッと蘭だム!・無作為抽出ご免被る!!」 選ばれた花ははたして名誉なのかどうか、そのような評価もご覧になる方々の蘭に関する深い造詣とウンチクにお任せ致します。 |
平成15年6月の例会から 今月の担当:三宅八郎(文・撮影) |
1. Malaxis latifolia (栽培:多田惣吉)
株を見るとコクラン(Liparis nervosa)によく似ているが、花は比較にならないぐらい細かく数が多い。例会の展示テーブルではとてもランには見えないので、こりゃぁ・・・アットランダム行きだなぁ・・・と思って花房を試験撮りしていると、この手の妖しいランを語らせたら蘭友会きっての論客・松井さんがニコニコしながら「よーーーーーーく見るといい花でしょ。写真で見るともっとよくわかるよぉ」っと声をかけてきた。だから、そのままアットランダム。 NS=1.5mm リップサイズ=0.4mm 花数=・・・・? こんなの、計測できないよぅ・・・・ Malaxis latifolia |
2:キバナノセッコク(Den. stricklandianum) (栽培:遠藤奈々子)
奄美大島某所からバルブを欠いてきたものがやっと大きくなった。キバナというよりも全体に緑色の花ですが、この個体だけリップのノドのところに鮮やかな彩りがある。もうひとつ、写真では見えないが、この個体はバルブがやたらに伸びて、大きくなると1.5mぐらいになります。これも、奄美大島某所産だけに見られる特質で、ふつうは60cmどまりなんです。 Den. stricklandianum |
3: Dendrobium hercogrossum (栽培:三宅八郎)
ごく淡いピンク色花がたくさん咲くが、会場ではあまり目立たない。花に似合わず、株はけっこう大きくなり、株市にも1mぐらいのバルブの株が出ていた。 こんな淡い色合いだと、バックは蘭友会ご指定のブラックがいい・・・っと思うでしょう?? そこで、ちょっとへそ曲がり。会場の隅っこの白っぽい壁をバックにしたら、ロマンティックな雰囲気の写真になりました。アットランダムよりはフォトギャラリーの方がよかったか??? Dendrobium hercogrossum |
4:白花ナゴラン(Sedirea japonica var alba) (栽培:茂垣雅宗)
真っ白、柄がなにもないナゴランである。普通種に比べると間が抜けていると言えばそれまでだが、清楚で、香りもまろやかかつ軽やかであった。 Broughtonia sanguinea var aurea |
5:Thecopus secunda (栽培:小林晃)
先月のアットランダムの一番はじめに、SP.sp、すなわちどこのなにやらわからん花として出てきた花である。出品者の小林氏が、あちこち調べ、ようやく属目・種名がわかったので、温室の状況とともに再出場願った。以下、この種に関するコメントです。 Thecopusはタイからボルネオにかけて2〜3種ほど分布する着生種である。secunda は、海抜300〜600Mほどの丘陵地の熱帯雨林の森に生育しており、かなり人目を引く花が咲く。植物の形態はかなり広い横長の葉を持ち、しわのよった卵型のバルブが房状に密集した形状をしている。バルブの基部より幾つかの、15cmほどの硬く垂れ下がった花茎に3cmほどのサイズの花を15輪くらいつける。 Thecopus secunda |
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