このコーナーでは、例会に出品される展示花の中から、誰も振り向かないかも知れないがとても珍しい形態の花、栽培が難しく今回限りの期間限定公開になるかも知れない花、ごく一部のマニアックな人だけが興味を示すような花、そもそも花がついているのかどうかわからない???そのような、人気投票の対象にはなりにくい花、言い換えれば蘭友会会員の趣味の深さ(行き着くところまで行ってしまったとも言うが・・)の真骨頂とも言える花を、さらに担当者の独断と偏向的興味に基づいて取材し展示しています。 例会の展示テーブルではわけのわからない花でも、写真になってゆっくり見ると 「おおっ!!」となるような美形になったり、ますますわけのわからないものに見えたり ・・・・題して「出品花、アッと蘭だム!・無作為抽出ご免被る!!」 選ばれた花ははたして名誉なのかどうか、そのような評価もご覧になる方々の蘭に関する深い造詣とウンチクにお任せ致します。 |
平成15年9月の例会から 今月の担当:小島 朝男(文・撮影) |
1. Encyclia tampensis(栽培:小林 晃)
全体写真ではご覧になれないと思いますがリップの日の丸がなんともかわい い感じの花です。会場での解説では和服の模様になりそうな花柄とのたとえ もありました。和室に飾っても良く似合いますです・・はい。 Encyclia tampensis |
2:Nanodes medusae (栽培:渡辺きよ子)
この花はナンデスか?、ナノデスです。前はエピデンドラムでした。 シャコバサボテンの仲間でしょうかね?、いいえ違います 蘭です。 冗談はこれくらいにして栽培の難しいmedusaeですが葉の傷みも無く 株・花の大きさとも見事な栽培です。 Nanodes medusae |
3: Den.shiraisii (栽培:清水勇次)
某蘭園登録の原種です。メリクロン苗をGCで配布しましたが生育は順調でし ょうか。成長期には水を切らさず肥料も適時に与えてください。 条件が良いとびっくりするくらい大きくなります。開花したら出品下さい。 Den.shiraisii |
4: Den.unicum (栽培:小林 晃)
他のデンドロには見られない朱赤色に魅せられて何度か購入したが失敗を 繰り返してる方が多いと思います。夏は出来るだけ涼しく冬になってもカラ カラに乾かさないで湿度維持することとハダニに注意しましょう。輸入株は 成長期が日本と違いますので新芽が伸びた時が春と思って管理して下さい。 Den.unicum |
5:Cycnoches lehmannii (栽培:松井 紀夫)
花色、花形共にCyc.warscewiczii, Cyc. chlorochilonと良く似て いますが、warscewicziiはバルブ、花形とも遥かに大きく、花数も大きく、 chlorochilonはバルブがそれほど大きくならず、花数も少ないようです。3種 とも花形が水に浮かぶ白鳥を思い起こさせるので、Swan Orchidと呼ばれて います。 Cycnoches lehmannii |
6:Den.dichaeoides (栽培:渡辺 きよ子)
入賞しているDen.caliculimentumと並んでのご出品です。どちらもクールタ イプのデンドロですが見事な大株に仕上げております。今年は冷夏の為クー ルものの温度管理は助かった点もありますが反面日照不足には対策もないま ま過ごされたことと思います。都内在住の冷房温室での栽培です。 Den.dichaeoides |
7:L.fidelensis(栽培:小林 晃)
匍匐したバルブに細いステムを伸ばし上品なピンクの花が2〜3輪咲いています。あまり交配には利用されていませんが花支が垂れ下がって咲くのと日保ちが良くないのが原因でしょうか。このままでも充分気品のある美しい花です。 L.fidelensis |
8:Epi.rondonienses(栽培:高木 鐐 吉)
大型株の人気投票と珍花賞に入賞していますが、花型が良く見えないと思いますのでアップの写真を掲載しました。一見蘭とは見えない花姿ですが花の一つ一つはエピデンの花です。近づくと良い香り(何かの花の香りだが思い出せない)がただよっています。こんな花がエピデンにあったかなあと改めてエピデンの仲間の広さに驚きました。 Epi.rondonienses |
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