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三宅八郎 |
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1.個別審査のこと
2008年2月1日、蘭友会から沖縄国際洋蘭博覧会の審査員を仰せつかり、審査に参加してきた。会場は、沖縄海洋博公園の中にある熱帯ドリームセンターの温室で、温室内の樹木や植物のおりなす空間の中で審査を行い、展示もそこで行われる。新宿御苑の蘭展のスケールの大きなものと思えばいい。 |
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沖縄国際洋蘭博覧会の認定審査では、ドームでやるような挙手型の審査でなく、審査員が、一株一株、型・色・サイズ・花数などの要素について点数評価して集計するので、客観性がきわめて強く出る。したがって、ほんとうに良いものが出てくると同じような種が連続受賞することが起こっても異議を唱えることはできない。
このような審査のやり方は、私が入会した頃(2000年)、例会でもトレーニングをやっていたのだが、やりかたが少し厳しかったせいか、いつのまにかなくなってしまった。今回、審査に参加して、当時のトレーニングがとても役に立ったことを考えると、トレーニングシステムを見直して復活したほうが良いかもしれない。
もうひとつ、沖縄国際洋蘭博覧会独特のルールであるが、「賞を出す株は、沖縄でふつうに育てられる種であること」という決まりがあって、クール系のソフロニティス(ブレビはOK)、リカステ、オドントグロッサム、ディサなどは、審査当初のピックアップの時点で外されてしまう。これは、入賞花の分け株を後で海洋博公園に寄贈しなければならないということと不可分の決まりのようである。
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2.熱帯ドリームセンターでの楽しみ
沖縄国際洋蘭博覧会のたのしみは、入賞展示株よりも、温室内に常設で飾られている蘭や、会場になっている温室の外で露地植えになっている蘭を見ることができるところにある。写真は、会場の周りの庭の樹木に着生していたバンダ・ラメラタの開花株だが、2月の上旬にこういう楽しみがあるのも沖縄ならではのことであろう。 |
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温室内の樹木に着生させたRhy.gigantea |
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会場周辺の樹木に着生して
開花するバンダ・ラメラタ |
こんなやつも、近くにぶら下がっている
(フルーツバットの一種) |
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展示会場の温室の周りは、石造りの回廊がめぐらせてあり、ディスプレイ関係の展示もそこで行われ、会場の周辺の庭木に着生させたカトレヤやバンダが、たくさん咲いている。完全な自然の環境ではないが、温室を出たり入ったりしてこういうものを見学していると、ほのぼのとした気分になり、今年の東京ドームのテーマである「蘭がある。伝えたいことがある。−大切なあの人へ届けたいオーキッド・メッセージ」というイメージを実によく体感できた。審査の途中でも、会場から少し外に出て海外からの審査員と花を見ながら立ち話をしたり、目を休め肩こりをほぐしたりすることができるのが、とてもありがたく感じられた。沖縄国際洋蘭博覧会は、押し合いへしあいや買い物戦争のごったがえしとはまったく無縁の洋蘭展なのだ。
もう少し詳しく入賞花をご覧になりたい方や、ついでに取材してきた那覇周辺の風物についてごらんになりたい方は、下記サイトにアクセスしてみてください。3月の例会ではこれらをすべてスライドでお見せする予定になっています。
沖縄国際洋蘭博覧会のもよう:http://taralia.dip.jp:8808/cpg/index.php?cat=36
那覇や本部周辺の風物:http://taralia.dip.jp:8808/cpg/index.php?cat=13 |
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見学の間、樹木についたカトレヤを見ながら
回廊で一休み。光の動きが心地よい |
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樹木に着生して開花するカトレヤ |
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温室内の展示を見学する |
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回廊にしつらえたディスプレイ |
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