Trichoglottis amesianaの自生地はフィリピンのルソン島中部。標高約1,200メートル付近。 単茎性のステムは60cmを超える長さに達する。
葉は革質で長さ10〜14cm、幅1.5cm。
花序は葉の反対側に付き,短く,直径約1.5cmの花を数輪付ける。花は小さいが,淡い茶色のブロッチが入ったセパル・ペタルと明るい紅紫色のリップのコントラストが
美しい。
フィリッピンの数多くの蘭の命名者であるOakes Ames教授に因んで、Louis O. Williamsが1933年にPhilippine
Journal of Science誌上で命名した。
栽培は容易。Vandaの近縁属と同様の栽培管理で毎年良く花を付ける。
花期は秋から冬。
Trichoglottis amesiana(栽培:松井紀夫)
写真の株は98年11月に白石洋ラン園で購入したものですが、購入当時はポリポットにバーク植えになっていました。その後、2000年春に現在のプラスチックメッシュ筒にバークと竹炭2:1混合で植え替え、現在に到っております。現在花の付いている3本のステムの基部から斜め上方に伸びているのが新しいステム。新しく芽が出てから既に2年が経過していますので、ステムが成熟して花を付けるようになるまでには数年かかると思われます。
Trichoglottis属は長い登攀若しくは下垂する、葉の多い単茎性のステムを持つ着生植物で、東南アジア,マレーシヤ、フィリッピン,等に60種以上が自生している。
属名はギリシャ語のthrix(=hair=毛)とglotta(=tongue=舌)に由来し,リップの喉に軟毛に覆われた指状隆起があることによる。Carl
Blumeが1825年にこの属を設立した。Type species(摸式種=属設定の基準となった種)はマレー半島,スマトラ,ジャワ、ボルネオ産のTrichoglottis
retusaである。
Trichoglottis brachiata(栽培:萩原宣久)
登攀するタイプの代表はTrgl.. brachiata(=Trgl. philippinensis var. brachiata)で,赤味を帯びた紫色の花はTrichoglottis属の中で最も美しい。
下垂するタイプの代表はTrgl. rosea,Trgl. latisepalaである。一般的に登攀するタイプの方が花が大きく,下垂するタイプは花が小さい。趣味家の間に人気があり,広く栽培されているのは花の美しいTrgl.
brachiataであるが,Trgl. amesiana,Trgl. roseaなど下垂するタイプも長く栽培し,大株に作ると、数え切れないほど沢山の花を付け見事な景色となる。
Trichoglottis rosea(栽培:渡辺きよ子)
Trichoglottis rosea var alba(栽培:池上俊彦)
(文責 松井紀夫)
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