Cattleya trianaei(カトレア・トリアネー)
洋蘭栽培にのめり込むきっかけとなる蘭は、贈答品として使われるファレノプシス
(胡蝶蘭)やシンビジュームであることが多いが、それらがうまく栽培できたところで必ず手を出す蘭がカトレアであることは、多くの栽培家が認めるところであろう。
そこで、カトレアの美しさに目を奪われ、カラーバリエーションのコレクションへとさらにのめり込んでいった人が必ず通過するか、しばらくそこに留まるかするのが今月の
テーマとなっているカトレア・トリアネーである。

Cattleya trianaei 、コロンビアを代表する蘭であり国花でもあるこのカトレアは、
1860年、コロンビア・ボゴタ市民の植物学者・トリアナ博士(Dr.Triana)の名誉にちなんでライヒェンバッハによって命名された。

産地は、コロンビアのマグダレナ川上流のアンデス山中と伝えられている。
発見当初、quadricolor、すなわち「4色のカトレア」と呼ばれたこともあった。
それは、淡ピンクのペタルとドーサル、筒状のリップ先端の濃ラベンダーカラー、喉の奥を彩る黄金色と白の4色を指しているのであるが、トリアネーと命名された後、quadricolorという名称は1864年、リンドレイによって現在chocoensisという種名で呼ばれるカトレアの正式名称となっている。



C.trianaei 原種・ノーマルタイプ(栽培・撮影:萩原)

コロンビア産のカトレアには、
C.trianaei、C.chocoensis、C.schroederae、C.warscewiczii、C.mendelii、C.deckeri、C.dowiana、C.violaceaがあるが、頭からトリアネー、チョコエンシス、シュローデレーの3種は、前述のように発見後の命名については相互に関連があった。
これら3種には、それぞれ熱烈な愛好者がおり開花期が共通していることもあって、
色合い・形状・香りなどにつて例会や蘭展などで意見(時論??)を交わす機会も多い。
現在では、これら3種は別種とされているが、トリアネーの変種や優良個体をよく観察すると、幅の広いペタル、筒状のリップ等共通する形状要素があるのもたしかである。

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