Hexisea bidentata
Hexisea bidentataはメキシコからペルー、ブラジルにかけて分布する小〜中型の着生蘭で、バルブの頂部に直径1cm強の朱色の美しい花を咲かせる。
H.Cumingがパナマとコロンビアで発見し、1834年にJohn Lindleyによって記載された。


Hexisea bidentata(栽培:和田てる)

色彩が大変鮮やかで、小型ながらも人の目を惹きつける魅力を有する。
蘭栽培にかかわる書籍等では「栽培は容易」と書かれているが、実際には栽培がやや難しいのであろうか、例会等でこの花を目にする事は極めて稀である。
プロの温室でも沢山の花をつけた株を目にする事は稀である。95年3月例会及び96年3月例会に和田てる氏が出品され、栽培賞、人気投票第2位を受賞された株は大変大きな株で、 優れた栽培のものであった。

Hexisea属は小〜中型の着生種で、古い茎の頂部から新しい茎を生ずる。
1834年に、HookerのJournal of Botanyにおいて、John Lindleyによって記載された。
蕊柱の下部で膝状に曲がって、S字状になっているリップに特徴付けられる。
極近縁のScaphyglottisに良くあるようにリップの基部は結合しておらず、リップの縁は
蕊柱と合着して、セパルの基部より後ろには広がらない深い密腺を形成する。
この属の類縁については1974年にOrquideaの中でR.Dresslerが十分に論じており、彼はこの属に4種を認めている。模式種はH.bidentataである。

属名はギリシャ語のhex(=six)とisos(=equal)から成り、他の蘭の場合にはペタル、取分けリップが、形、色彩共に、大変際立っているのに、この属では、3つのセパル、3つのペタル(リップを含む)が大変良く似ている事に触れている。

        栽培:小美野兼司                栽培:清水達夫

H. bidentata以外で、Hexisea属の中で栽培されているのを見かける種はH. imbricataである。
色彩、花形共にこの両者は大変良く似ており、混同される事が多い。
H. imbricataはリップに二重の突起によって形成される黄色の隆起があり、リップの先端が尖っている。 一方H. bidentataはリップに黒い隆起がある。  (文責 松井紀夫)

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