Sievekingia fimbriata
Sievekingia fimbriataはコスタリカ・パナマの低地に自生する着生種で、下垂する花茎に淡橙黄色の可憐な花を咲かせるが、花持ちが大変悪く、精々3〜4日持てば上々である。
従って,蘭展や例会で展示されている株を目にする事は極めて稀であるが、株が3.5号鉢位の大きさに生育すると沢山の花茎を生ずるので、かなり長い期間可憐な花を楽しむことが出来る。



Sievekingia fimbriata 写真提供大場蘭園

私がこの花を始めて目にしたのが「何処であったか」、また「何時頃であったか」定かではないが、私のコレクション・リストを調べてみると、私がSivekinngia fimbriataを手に入れたのは95年12月であった。
また、蘭栽培に手を染めて以来記録している「花暦」に開花の記録が登場するのは、株入手から4年目の99年5月17日である。
96年9月に大腸ガンの手術のため入院し、約1ヶ月半蘭の世話を家内任せにしたたこともあるが、入手後の3年間は栽培管理の方法を模索するだけで、開花には到らなかったのであろう。
(S. fimbriataの入手より前の95年5月にSievekingia reichenbachianaを購入したのだが、この株は栽培のコツを呑込めない内に姿を消してしまった。)
95年に入手した株は、開花を見た後は生育が旺盛で、2000年2月に4株に株分けし、一株は蘭友に差し上げ、4号鉢植え二鉢と・3.5号鉢植え一鉢と3鉢が今年も次々に花を咲かせている。

Sivekinngia属はStanhopea属と近縁で、コスタリカからボリビアにかけての中南米熱帯に10数種が分布し、コスタリカのEndresで発見された株に基づいて、1871年にH. G. Reichenbachによって記載された。
属名は当時Reichenbachが住んでいたドイツのHamburgの市長であったSieveking博士に敬意を表してSievekingiaと名付けられた。

卵形で小・中型のバルブは密生し、頂部に襞のある葉を1葉、稀に2葉着ける。
花茎はバルブの基部から生じて,下垂し、短く、先端に数花を付ける。花はセパル・ペタル共に薄く,半透明で、花色は淡橙黄色系のものが多い。
栽培に関しては、冬季の最低温度15℃。花茎が下垂するので、花茎が鉢の縁に支えないように、小さ目の鉢に中高に植え込む方が良い。鉢が乾き過ぎない様に注意する。
ある文献には"The Sievekingias are often rather difficult to grow for more than a single season, and are not recommended for the amateur collector.
"(Sievekingiaはしばしば1シーズン以上栽培する事がやや難しく、アマチュア収集家には薦められない。)と記載されている。
然し、栽培のコツを呑込めば,それほど作りにくくはない様に思われる。毎年新芽が2芽づつ出て来るので、短期間で大株になる。
最後に、各種の文献に紹介されていたり、蘭園のカタログ等で目にする品種を紹介しておきます。是非挑戦してみてください。
S. colombiana
S. filifera
S. herrenhusana
S. reichenbachiana
S. suavis
S. peruviana
                        (松井記)

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