Rossioglossum grande
Rossioglossum属はメキシコからパナマに至る中米産の6種からなる小さな属である。
属名は1830年から1840年の間にメキシコで蘭の採取を行ったJohn Rossに因んで付けられた。



Rossioglossum grande

Rossioglossumは最初R. Schlechterによって、大属Odontoglossumの亜属だとされた(1961、Orchis)。
その後,1976年にL. GarayとG. KennedyがOrchid Digest誌上において(p.142)、この亜属の種はOdontoglossum属の源記載に適合しないと判断した。
そこで、彼らはR. Schlechterが亜属としたものを格上げして,Rossioglossum属とした。
模式種であるRossioglossum grandeはメキシコ及びグアテマラに分布する。
George Ure Skinnerによってグアテマラ市近くで発見され,1840年にJ. LindleyによってBotanical Registerにおいて、Odontoglossum grandeとして記載された。
その後,1976年にL. GarayとG. KennedyがOrchid DigestにおいてRossioglossum属に移した。

種小名のgrandeは言うまでも無く「大きな」(英語のgrand)の意である。 バルブの基部から生ずる30cm程の花茎に、大輪(花径10〜15cm)で華やかな花を3〜8輪付ける。
セパルは黄色地に赤褐色の棒横縞が入り,ペタルは基部から中程までが赤褐色で先端が黄色、リップは3裂し、ペタルと同様、基部に赤褐色を彩る。
Odontoglossumに比べて栽培が容易であるのと,大輪で華やかな花に見せられて、誰もが一度は栽培してみたいと思う花である。

Rossioglossum grandeはしばしばRossioglossum williamsianumと間違われるが、
R. williamsianumは花径7〜10cmで、R. grandeに比べて花が小さく、ペタルの赤褐色の部分が小さい。
また、R. grandeの花期が秋〜春であるのに対して,R. williamsianumの花期は春である。最近はこの両者を掛け合せたRossioglossum Rawdon Jester(蘭友会グロワーズ・コンテスト用苗―GC‐97‐10―として配布)の花が蘭展や愛好団体の例会で見られる。 (松井記)

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