Laelia perrinii


Laelia perrinii (撮影:三宅八郎 協力:白石洋蘭園)

Laelia属は1831年にJohn Lindleyが設立し、属名は古代ローマの女神Laeliaに因む。
メキシコからブラジルに到る中南米の広い地域に、小型種から大型種まで,花も大輪から小輪まで変化に富む約70種が分布している。皆さんご承知の通り、木姿,花形共にCattleya属に大変良く似ていますが,花粉塊がCattleyaの4個に対して8個である点でCattleyaと異なっています。

Laeliaと言うと,最近は様々な色彩で夏を彩る大輪花を咲かせるL.purpurata、長い花梗の頂部に変異の多い中輪花を咲かせて冬を華やかに装うL. ancepsに人気が集中しています。
L. perriniiはL.purpurataの様な華やかさが無く,またL. ancepsの様な艶やかさもありません。
特に、鮮桃紫色の通常種は最近では蘭業者のカタログからも姿を消してきている様に思いますが、L. perriniiは私の好きな蘭の一つですので取り上げてみました。

 現在私の手元にあるL. perriniiの株は1981年(私が蘭友会に入会した年)10月18日に東京オーキッドで3000円で購入したものです。この株は大株になり,何度か株分けをして友人に差し上げたり,株市に出品したりして来ました。ところが3年ほど前から株の様子がおかしくなり,新芽が腐ると言う症状が現れてきました。そこで,思い切って3株に株分けして、仕立て直しをしました。5号平鉢に植えこんだ分株は生育も順調で今年も花を咲かせてくれる様に思いますが,残る2株はリードこそ2本ずつ伸びてきていますが,開花までにはもう1〜2年作り込まなければならない様に思います。



Laelia perrinii(リップの変異)

 さて,L. perriniiはブラジルのEspirito Santo、Rio de Janeiro、Minas Gerais州の標高700m〜900mに自生する。バルブはL.purpurataよりも扁平で,革質の葉の裏側に紫褐色の斑点が入る。鮮桃紫色の花2〜3輪をつけるが,花は径約10〜14cmと比較的大きく、L. purpurataや L.ancepsとは異なった独特のリップを持つ。花弁が柔らかく,開花中に株を移動すると花弁を傷つける事が多い。
alba、semi-alba、coeruleaの変異体も知られている。



Laelia perrinii var semi alba(咲き始めのセミ・アルバ)

 L. perriniiは最初1832年にJohn LindleyによってC. perriniiとして記載され,後にLaelia属に移された。種小名perriniiは、本種を最初に開花させた,当時南米の着生種の熱心な栽培者であったLivapoolのR. Harrsonの園芸主任であったPerrin氏を記念するものである。
花期は秋。                           (記:松井紀夫)

ページトップへ

原種解説の花過去ページへ

トップページへ