Meiracyllium wendlandii  

Meiracylliumは薄い膜状のシースに包まれた匍匐茎をもつ小型の着生種で、trinustumとwendlandiiの2種がメキシコ、グアテマラに分布する。
属名はギリシャ語のmeirakyllion(stripling =小僧、小娘or little fellow=小さい奴)に由来する。おそらく丈の低い、匍匐する習性に関係があるのであろう。



Meiracyllium wendlandii (写真提供:白石洋蘭園)

 Meiracylliumは1854年にXenia Orchidaceae(p.12)においてH. G. Reichenbachによって記載された。Laelia属と遠戚関係にあるが、葯帽は有蓋ではなく、8個の花粉塊は4対ではなく2束生である。
この特色のある特徴のために、R. Dressler(1972)がEpidendreaeの亜族に入れた。
Meiracylliumの他の属との関係はBrittoniaの中でDresslerによって十分に論じられている。
 模式種はMeiracyllium trinastum。栽培は冬季最低温度12〜15℃。浅鉢、バスケット、ヘゴやコルクにつけるのが最も良く生育する。成長期には適度の遮光と十分な湿度を必要とし、花ご成育が完了したときには水を減らす。

 Meiracyllium trinastumはメキシコ、グアテマラの標高1300メートルに分布する。
最初、1854年にH. G. ReichenbachによってXenia OrchidaceaeにおいてBoissier氏が所有するPavon植物標本の中の素性不明の株に基づいて記載された。wendlandiiと近縁であるが、その長円形のペタル、著しく袋状のリップ及び幅の広い基部を有する蕊柱によって区別される。花期は夏から秋。



Meiracyllium trinastum (写真提供:白石洋蘭園)

Meiracyllium wendlandiiは1857年にグアテマラのRio Sucio河畔でH. Wendlandによって発見され、1866年Beitage zu einer Orchideenkunde Zentral-Amerika's(p.73)の中で
H. G. Reichenbachによって、発見者に因んで命名された。
Meiracyllium trinastumに似ているが、より一層長円形の葉とより一層発達した茎、細長い倒披針形のペタル及びより細い蕊柱によって区別される。花期は春。
                                 (記:松井紀夫)

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