Renanthera storiei
(レナンセラ・ストリエイ)
 
長く伸びた、分枝する花梗に、花径4〜4.5cmの濃い赤色の花を密に付けるRenanthera storieiは、例会や洋蘭展の会場で何処に展示されていても、その艶やかな色彩で人々の視線を惹きつける。
今年1月9日から14日まで松坂屋銀座店で開催された蘭友会主催の第44回洋蘭展において、渡辺興一氏出品のRen. storiei var. philippinenseが岡見賞を受賞したことを記憶しておられる方も居られることと思います。



Ren. sotrieivar. philippinense 



レナンセラが真っ赤に燃える

Ren. storieiの原産地はフィリッピン。1880年にStuart Lowの栽培した株に基づいて、Gardeners' Chronicle誌においてH. G.Reichenbachが記載した。この種は栽培において始めてこの花を開花させたJames G. Storieに敬意を表して名付けられた。



Renannthera storiei(栽培:白石洋蘭園)



Renanthera SP(栽培:白石洋蘭園)

 Renanthera属はおよそ15種が東南アジアからフィリッピンにかけて分布する大型・単茎性の着生種で、属名はラテン語のrenes(=kidneys―腎臓)とギリシャ語のanthera(=anther=葯)からなり、模式種Ren. coccineaの腎臓形の花粉塊に言及したものである。  1790年にFlora Cochinchinensis誌においてJuan Loureiroによって設立された。蕊柱の構造、並びに特に、Renantheraの授粉機構がVanda属及びAerides属とこの属の密接な関係を示している。しかしながら、Renanthera属の花被は大変異なっており、特に側萼片は通常他の部分よりも長く、並行若しくは殆ど並行である。



Renanthera storieiのクローズアップ (栽培:白石洋蘭園)

 栽培はVandaと同様に高温と多湿を好むようである。開花期は不定期咲きで、夏の蘭展や毎月の例会でも時々出品され、真紅の房咲きが場内を華やかにしてくれる。   (文責 松井紀夫)

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