Grammangis ellisii

 Grammangis属はマダガスカルにG. ellisiiとG. stapeliifloraの2種が自生する。属名はギリシャ語のgramma(=letter,mark,文字、印)とangos(=vessel,管)の2語からなり、恐らくはリップの良く目立つ赤紫色のすじに由来するものと思われる。
 1860年にH.G.Reichenbachによって記載されたが、Cymbidiumと近縁で、元来はJohn LindleyによってマレーシヤのGrammatophyllum属に分類された。H.G.Reichenbachが花被の形が異なっているため、Grammatophyllum属から分離した。
 G. ellisiiは大型の着生種で、Grammangis属の模式種。バルブは長さ8〜10cm、長さ15〜40cm、幅1.5〜4cmの葉3〜5枚を頂生する。花茎はバルブの基部から生じ、長さは60cm以上に達する。花は大きく、蝋質で、セパルは光沢のある褐色に黄色の斑点が入り、縁は黄色。ペタルはクリーム色で上部がピンク色がかった黄色。リップは白で、先がピンクがかったオレンジ色。開花期が最も頻繁に洋蘭展が開催される時期と異なるため洋蘭展の会場で展示されている株を目にすることは稀である。
 マダガスカル東部で W. Ellis師によって発見され、彼に因んでJohn LindleyによってGrammatophyllum ellisiiと命名された。その同じ年に、上記の様にH.G.ReichenbachによってGrammangis属に移された。 

(松井)

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