今月の花  Arpophyllum giganteum

写真の株は蘭友会4月例会に清水達夫氏が出品されたものである。私が蘭友会に入会した1980年代には、春の例会では毎年のようにArpophyllum giganteumが出品されていたように思うが、近年は例会で見掛けることが少なくなった。その原因は、Arpophyllum giganteumが咲き難いためなのか、株が大型で狭い温室の大きな面積を占領してしまうためなのか、良く分からないが、栽培しておられる方が少なくなり、最近の例会で目にすることがなくなったように思われる。)

 Arpophyllum giganteumはメキシコからコスタリカ、コロンビア、ジャマイカに掛けての中南米に広く分布している。無数の桃紫色の小さな花を筒状に付けるので、俗にCandle Orchid(蝋燭蘭)と呼ばれている(蘭友会報「蘭友」40号、Common Names of Orchids参照)。1840年にTh. Hartwegがメキシコで採取した株に基づき、John Lindleyによって記載された。
 Arpophyllum 属には5種が含まれ、属名は葉の形に言及して、ギリシャ語のharpe(sickle=鎌)とphyllon(leaf=葉)からの合成である。1825年にP. La LlaveとJ. Lexarzaによって記載された。生長期には十分な水と光が必要で、生長が完了したら、冷涼で乾燥した休眠期が必要とのことである。
(松井記)
 

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