今月の花  Capanemia superflua


 写真の株は05年5月の蘭友会例会に、故人となられた多田惣吉氏が出品され、人気投票において小型株第2位入賞したものである。素晴らしく良く出来た株で、白色の小さな花を穂状に咲かせていた。 私もこれまでに2度、(98年5月と02年3月)株を入手し、挑戦してみたが、2度とも株がうまく育たず、花を見ることなく温室から姿を消してしまった。多田氏の温室は3坪の掘り下げ温室で、床面が、ブロック3段ほど地表から下がっており、温室内に湿度が十分保持されていたことがこの株の栽培に適していたのであろう。

     
 
05年5月の蘭友会例会に、多田惣吉氏が出品された展示花
 
 Capanemia属は小型の着生蘭で、15種ほどがブラジル、パラグアイ、アルゼンチンに分布しており、属名はブラジルの博物学者Guillemo Schuch de Capanema博士に因む。
 Capanemia superfluaはブラジルとアルゼンチンに分布し、1864年にH.G.ReichenbachによってOncidium supergluumとして記載され、1967年にL. GarayによってCapanemia属に移された。我国の蘭界ではシノニムのCapanemia uliginosaのほうが良く知られているかもしれない。
(松井記)
 

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