今月の花  Mexicoa ghiesbrechtiana


 Mexicoa giesbrechtianaはメキシコ固有の着生蘭で、Oaxac州、Michoacan州、Guerrero州の標高2,000メートルあたりの樫の樹林に自生する。1845年にGhiesbrechtによって採取された株を基に、A. RichardとH. GaleottiによってOncidium ghiesbrechtianumとして記載された。 その後、1974年にLeslie GarayによってOncidiumからMexicoaに移された。

白石洋ラン園提供
栽培-撮影:古坂様
 これだけ書いてくれば、でその属名がメキシコの国名に由来するものであること、また種名が株の発見者の名前に因むもであるということはお分かり頂けると思う。
 1980年にRebecca NothernがAmerican Orchid Society Bulletinにおい'charming littlemaverickユ(魅力的な小さな一匹狼)と評した、鮮やかな黄色いリップと黄色地に紫の筋の入る小型の花の魅力に惹かれて、92年4月に白石洋ラン園で一株購入した。その後良く生育し、3.5号鉢ほどの大きさにまでなってくれた。一昨年春、株分けをしたところ、ご機嫌斜めと成り、瞬く間にバルブが枯れ込み、やがて私の温室から姿を消してしまった。
 06年4月に白石洋ラン園で小さな株を発見、再購入したものが現在花を咲かせている。自生地の標高を考えると、東京近郊の夏の暑さはこの種にとって耐え難いものなのかもしれない。
(松井記)
 

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