今月の花  Aeranthes grandiflora


 Aeranthes grandifloraはマダガスカル中部及び東部の標高1,200メートルまでの雲霧林に自生する。対生する葉の間から細い針金のような花梗を長く伸ばし、その先端に緑白色の魅力的な花を付ける。マダガスカルのAmbre山で、Forbes氏によって採取され、1824年にJohn Lindley によって記載された。


 写真の株は06年6月例会に渡辺きよ子さんが出品された株である。現在私の手元にある株は、93年6月に購入したもので、一時は3芽に殖え、見ごたえのする花を咲かせてくれた。2年前に植え替えをしたところ、ご機嫌が悪くなり、2芽が枯れ込んでしまった。現在、ようやく元気を取り戻して、新しい芽が出始めたところである。
 Aeranthes属は30種がマダガスカル、コモロ諸島、マスカレン諸島に、2種が熱帯アフリカに分布する。属名はギリシャ語のAer(air, mist)とanthos(flower)から成り、この属の着生する習性、繊細な花(air-flower)、湿度のある自生地に言及している。
 蘭展や月例会の展示ではA. arachnites, A. henrici, A. ramoseなどが見られる。
(文責:松井)
 

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