今月の花  Holcoglossum kimballianum


 Holcoglossum kimballianumはミャンマー、タイ、中国南部に分布する単茎性の着生蘭である。写真の株は07年12月例会に小林晃氏が出品されたもので、花は直径5センチほどの小輪であるが、濃桃紫色のリップが美しく、魅力的である。以前は蘭業者の温室や、例会の会場で、よく花を見ることがあったが、最近は余り眼にすることがなくなったように思われる。私も、一度栽培を試みたことがあるが、栽培のコツをつかむことが出来ず、数年で私の温室から姿を消してしまった。


 Holcoglossum kimballianumは、最初、ミャンマーで採取された株を基に、H.G.Reichenbachによって1889年にVanda kimballianaとして記載された。その後、1972年にLeslie GarayによってHolcoglossum属に移された。
 HolcoglossumはVandaの近縁で、ミャンマーから台湾にかけての東南アジアに8種ほどが分布する。属名はギリシャ語のholkos(=strap、皮ひも)、とglossa(=tongue、舌)から成り、模式種quasipinifoliumのリップの形に言及している。
(松井記)
 

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