Japan Amateurs Orchids Society

2020年7月原種紹介

Liparis stricklandiana Rchb.f.1880

Liparis stricklandiana Rchb.f.1880
Liparis stricklandiana Rchb.f.1880
Liparis stricklandiana Rchb.f.1880

 今月の表紙の花は筆者佐藤攻出品のLiparis stricklandianaを選んでみた。Liparis属は世界各地に分布しており、着生種もあれば地生種もある。自生地は600mほどの比較的低地から3000mの高地に至るまで多様である。ネットでざっと調べただけでも400以上の原種を数える大きな属である。また、その多くは小さくて地味な花が多い。 平成21(2009)年7月例会に出品されたrhodochilaは印象に残る美しい花であった。リンクを張っておくので見てほしい。
 ここで紹介するLiparis stricklandianaは数年前に入手した個体で、ヒマラヤ南東部からベトナム北部、中国雲南にかけて、低地から高地までの範囲に自生している着生種である。栽培が浅いのでよく判らないが、夏場の暑さも苦にすることなく順調に生育している。ただ、水切れするとご機嫌が悪くなるので気を付けている。プラスチック系の容器に水苔が向いているようだ。
 日本にもリパリスの仲間が自生しているが、「原種ブームのために個体数が減少している」との情報も聞いている。スズムシソウ、クモキリソウなどがそれらである。これらの日本のリパリス種は栽培が極めて難しいそうであり、原種保護の立場からも栽培は止めた方がよいと思われる。

2020年7月19日 池袋サンシャインシティ会議室


栽培・撮影・記:佐藤 攻



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