今月は、Pinalia obesaの紹介です。この種は、アッサム、ミャンマー、タイで標高が約500mの地域に自生する着生蘭です。葉はオンシジュームのような薄い葉で、バルブが完成すると10㎝程のプリプリのバルブに太り、葉が落ちてから各バルブに4~5花茎の花が上がります。NS2㎝程の小さな花ですが、1花茎に5~7輪の花が付くので、結構にぎやかに咲きます。
唐木氏がこの種で2019年世界らん展の個別部門の「その他の属・小型」で、トロフィー賞を受賞されていて、この時の着花はバルブが見えないくらいに沢山の花が咲き見事でした。
大変、花もちが良く、1カ月程度の期間は楽しめます。花茎の芽が出始めたころに花茎に少し触っただけでポロリと欠けてしまうので、花径が上がる頃の扱いに注意が必要です。栽培は、カトレヤ、デンドロと同じ場所に置いて、これらと同様の管理で栽培しています。栽培期間は2年ほどですが、丈夫で栽培し易い種だと思います。唐木氏の株に比べるとまだまだの状態です。
2022年3月6日
栽培者・撮影・記:冨澤實