Prosthechea属はHigginsによって1997年に再分類された属でEpidendrum属、Encyclia属等から再分類されたものです。この属には100以上の種が含まれています。また、この属は米国のフロリダ、カリブ諸島、メキシコから中南米に広く分布しています。21世紀に入り、Prosthechea属は更に再分類が試みられていますが、KewではそのままProsthechea属が受け入れられているようです。
Prosthechea baculus (プロステケア バクルス)(Rchb.f.)W.E.Higgins 1997
メキシコからブラジルにかけて広い範囲の標高400~1,700mの山林に分布します。根茎から伸びる細長いバルブが特徴で、通常花は2輪つけ背中合わせに開花します。春から夏にかけて開花する花は強い香りを放ちます。Anacheiliu baculusはsynonym(同義語、同じ種)です。
Prosthechea brassavolae (プロステケア ブラサボラエ)(Rchb.f.)W.E.Higgins 1997
メキシコおよび中米諸国の標高900~2,500mに自生しています。夏から秋にかけて開花します。2004年にWithner & HardingによりPanarica brassavolaeと再分類されましたが、現在この属名はProsthecheaのsynonymとなっています。
Prosthechea chacaoensis (プロステケア チャカオエンシス)(Rchb.f.)W.E.Higgins 1997
メキシコからコロンビア、ベネズエラにかけて標高1,200mまでの森林に自生します。冬から夏にかけて開花します。Anacheilium chacaoensisはsynonymです。
Prosthechea cochleate (プロステケア コクレアタ) (L)W.E.Higgins 1997
メキシコから中南米、カリブ諸島、米国フロリダに広く分布し、標高1,900mまでに自生します。花は春に開花して6か月程連続して咲きます。栽培は容易な種です。ベリーズの国花です。
Prosthechea citrina (プロステケア シトリナ)(Lex.)W.E.Higgins 1997
メキシコの固有種。ハリスコ、ミチョアカン、モレロス、ゲレロ、オアハカ、プエブラの各州に自生しています。春に開花する花は、原住民の間でセマナサンタ(春の祭り)の飾り付けや、赤痢等の薬として、また、バルブの内部を磨り潰して粘着剤を作るなど、生活の中で様々に利用されています。Euchile citrinaはsynonymです。
Prosthechea ghiesbreghtiana (プロステケア ゲスブレグティアナ)(A.Rich. & Galeotti.)W.E.Higgins 1998
メキシコの固有種。ゲレロ、オアハカ州の太平洋側、標高2,000~2,700mのオーク林に自生します。冬から春にかけて開花します。
Pollardia ghiesbreghtianaはsynonymです。
Prosthechea glauca (プロステケア グラウカ) Knowles & Westc. 1838
メキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドールの標高900~2,100mに自生しています。春から夏にかけて直径1.5cm前後の肉厚な花を沢山つけます。
P. glaucaはProsthechea属の最初の種で1997年にHigginsが再分類する以前からProstecheaの種であったと言われています。
Prosthechea karwinskii (プロステケア カルウィンスキイ)(Mart.)J.M.H.Shaw 2011
メキシコの固有種。 オアハカ州の標高1,300~2,600mのオーク林に自生します。春に開花してレモンの香りを出します。Euchile karwinskiiはsynonymです。
Prosthechea magnispatha(プロステケア マグニスパタ) (Ames, Hubbard & Schweinf.) W.E.Higgins 1997
メキシコの固有種。オアハカ州の標高800~1,800mのオーク林に自生します。花は秋から冬にかけて開花します。
Prosthechea mariae (プロステケア マリエ)(Ames) W.E.Higgins 1997
メキシコの固有種。 サンルイスポトシ、グアナファト、タマウリパス、プエブラ州の標高1,000~1,200mに自生します。花は春から夏にかけて開花します。
Euchile mariaeはsynonymです。
Prosthechea pringlei (プロステケア プリングレイ)(Rolfe ex Ames) W.E. Higgins 1997
メキシコ固有種。ミチョアカン、メキシコ(州)、モレロス、ゲレロ、オアハカ州の標高1,800~2,500mに自生します。花のサイズは2.5cm前後で小型種です。春に咲きます。
Pollardia pringleiはsynonymです。
Prosthechea pastoris (プロステケア パストリス)(Lex.)Espejo & Lopez-Ferr. 2000
メキシコ固有種。 コリマ、ミチョアカン、オアハカ州の標高100~2,500mに自生します。春から夏にかけて開花します。Encyclia venosa, Pollardia venosaはsynonymです。
Prosthechea radiata (プロステケア ラディアタ)(Lindl.) W.E.Higgins 1997
メキシコからコロンビアに至る150~2,000mの樹木に着生しています。春から冬、春に開花する花は強いバニラの香を放ちます。強健種で栽培は容易です。
Anacheilium radiataはsynonymです。
Prosthechea micropus (プロステケア ミクロパス)(Rchb.f.) W.E.Higgins 2004
メキシコ固有種。 ナヤリ、ハリスコ、ゲレロ、モレロス、オアハカ州の標高1,200~2,000mに自生します。花は春から夏にかけて咲きます。
Prosthechea trulla (プロステケア トゥルラ)(Rchb.f.)W.E.Higgins 1997
メキシコ固有種。 ナヤリ、コリマ、ハリスコ、ミチョアカン、ゲレロ、オアハカ州の標高300~1,500mの山林に自生します。年間を通して開花する種です。
Anacheilium trullaはsynonymです。
Prosthechea varicosa (プロステケア バリコーサ) (Bateman ex Lindl.) W.E.Higgins 1997
メキシコ固有種。ハリスコ、ミチョアカン、ゲレロ、モレロス、オアハカ、ベラクルス、イダルゴ州の標高1,500~2,800mに自生します。 着生ランですが地生ランでもあります。冬から夏にかけて開花します。Pollardia varicosaはsynonymです。
Prosthechea vitellina (プロステケア ビテリナ)(Lindl.) W.E.Higgins 1997
メキシコから中米のグアテマラ、エルサルバドール、ホンジュラスに分布し標高1,400~2,600mに自生します。花は春から秋にかけて開花します。
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