「こんな花が咲きました」のコーナーへようこそ

このコーナーは、月例会に開花が間に合わなかった、花命短くてすぐに枯れてしまった、大きすぎて搬入ができなかった、あるいは花が多すぎて持ちきれなかった等の事情で、みなさんに見ていただくチャンスを逃してしまった花々の、再デビュー舞台です。

Bulbophyllum macraei(和名:シコウラン)
奄美大島で分けてもらった、たったひとつのバックバルブを植え付けて2年、拙宅の狭苦しいワーディアンケースのすみっこでバルブを増やし、先月、やっと花を付けました。
花のてっぺんから先まで5cmぐらいの淡いピンクの花が、15cmほどの花茎の先に5輪ほど輪になって付きます。属はバルボフィラムになっていますが、花の形態はシルホペタラムに近いような気がします。
花命は1週間から10日と短いですが、次々と花茎を上げてきますので1ヶ月ぐらいは花を楽しめます。残念ながら香りはありません。



シコウランの花(平成13年7月27日撮影)



 自生地では、川沿いの苔むした大木の幹や、川面に張り出した木の大枝の付けねに着生していることが多く、非常に高い湿度と通風を好む性質があります。

下の写真は、奄美大島住用村の川内川上流にある自生地のようすですが、着生木の苔の付き方を見ても、ものすごく高い湿度の環境にあることがわかると思います。
また、根元も苔に厚く覆われており、水切れを嫌う性質がよく出ています。



奄美大島川内川の自生地にて(平成11年12月撮影)

 この自生地の周辺には、キバナノセッコク、セッコク、ナゴラン、カシノキラン、チケイラン、オサランなどを見ることができますが、根元が苔で厚く覆われているのはシコウランだけです。
他のランは、他の着生植物との共生を非常に嫌い、木の幹や枝にランだけがついていることが多く、とりわけ、シダ類との共生をひどく嫌います。
                                 (記、撮影:三宅八郎)
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