平成24年1月15日

【小型株第1位】
Mediocalcar decoratum 峯田美智子

　この株は1989年に知人からいただいたものです。株が小さかった頃は水苔でプラ鉢に植えてありましたが、4号鉢位の時に、コルクにつけました。その頃からハウスには加湿器がありましたので、湿度保持には問題なく、コルクに順調になじんで育ちました。コルクづけはこの辺りが成否のカギかもしれません。3、4年前のことですが、冬、換気扇のシャッターのスキ間から侵入したネズミに新芽の部分をかじられてしまい、まるでバリカンで刈ったような有様に呆然としたことがあります。気持ちよくのびていたPaph.の新芽も根までかじられて「この頃のネズミはグルメだ」などと、冗談でショックを紛らしていましたが、正直なところがっくりしました。その傷跡もやっと癒えて、今回出品できました。暑さに弱いと思っていましたが最近夏は庭のヤマボウシの木に吊り下げて過ごさせています。何処まで出来るかわかりませんが、大きな株に作れたらと思っています。

第4位
山田　茂
C. walkeriana tipo
'Madder Rud

【大型株】
Fredclarkeara After Dark 'SVO Black Pearl' FCC/AOS 花房久枝

　多くの方に投票いただきましてありがとうございます。
今回出品したFdk.After Dark ’SVO Black Pearl’(メリクロン)は東京ドームでの世界らん展日本大賞2010でアメリカの業者よりUS$100で購入したものです。
カタセタム、クロウェシア、モルモデスの三属間交配で生まれたFdk.After Darkは、カタセタム属から花の大きさ、クロウェシア属から花形と長い花命、モルモデス属から色彩、をそれぞれ強く受け継ぐことにより、真っ黒でインパクトのある花になりました。さらに1花茎当たりの輪数が多いこと、1バルブから3−4花茎を出すこと、強い香りがあること、冬の蘭展シーズンに開花すること等の顕著な長所もあります。
カタセタム類の栽培は一般的に言われているように、成長期（5-9月）は潅水を多くし、休眠期（11-3月）は潅水を控える、が基本ですが、よりバルブを太らせ輪数を多くするためには、1.成長期に入る前の3-4月に潅水を控え十分根を張らせる、2.成長期にはその根で多量の肥料を含んだ水を吸収させる、3.バルブが完成するまで葉上から潅水をしない、4.葉ダニ予防と駆除をしっかり行う、5.気温が下がって葉が落ち休眠期に入ったら、月に1回以上の潅水はしない、等のケアが必要と感じております。
このように成長期に多量の肥料を与え、休眠期には極端なほど潅水を控えることによりカタセタム類は驚くほど良く成長し開花してくれます。暑い夏も大好きで、潅水を控えれば15度前後の環境でも問題なく冬越しできるとても魅力的なグループですので興味のある方は是非栽培していただきたいと思います。
＜参考＞
Fredclarkeara(Fdk.) After Dark = Mormodia Painted Desert x Ctsm.Donna Wise
Mormodia Painted Desert = Mormodes sinuata x Clowesia Rebecca Northern