No.014
題名:木漏れ日・その1(カシノキラン)

亜熱帯の原生林を歩いていると、真昼の一時だけ樹冠を突き抜けたトップライトが木々の葉に当たり、思わぬ美しさに息をのむことがある。それが、着生蘭であったらなおさらのことである。
5月上旬、午前中に大島支庁で仕事の打ち合わせを終え、東京直行便出発までの空き時間に湯湾岳の中腹へ蘭を見に行った。通い慣れた道ではあるが、ハブに気を配りつつ原生林の中を登っていくと、目の前の木の幹についたカシノキランにすばらしいトップライトがあたっていたので、おもわずシャッターを切った。
つづいて、コゴメキノエラン、キバナノセッコク・・・・原生林にトップライトが射し込むほんの一時だけのチャンスは、花の時期にも勝る美しさを見せてくれた。
出張の余暇であったため三脚を携行できず、すべて、愛用のEF100-400 IS-Zoomを使っての手持ち撮影であった。ブレ防止機能付きとはいえ、400mm域でのマクロ撮影ではその効果も心許ない。手近の樹木に抱きつき、レンズを横枝や幹に押し付けて顔をボディと木の間に押し込むようにしての撮影であった。
撮り終わって汗をぬぐったら首筋でグニャリ。おおきなナメクジがくっついていた。 (文・撮影:三宅八郎)

種名:Liparis elliptica
撮影地:奄美大島・湯湾岳中腹
撮影:三宅八郎



カメラ機種名:Canon EOS 10D
レンズ:EF-Zoom 100.0 - 400.0mm IS
シャッター速度: 1/500
絞り数値:5.6
露出補正:-1
ISO感度:800

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