今回は、Paphinia Majestic(Paphinia cristata × Paphinia herrerae)を紹介します。
開花は3日程度で萎れてしまうので、なかなか蘭展や例会では見ることができない花ではないかと思います。交配親をネットで調べてみると、この交配種は交配親のPaphinia cristataに近い花型と色彩でした。Paphinia cristataは花径サイズが10~20cmと大型の花で1花茎に2~3輪の着花とありました。一方、Paphinia herreraeは、花弁があまり展開せずにペンダント状に咲くタイプですが、1花茎に3~7輪と着花数が多い種でした。花形の良いcristataと着花数の多いherreraeを交配することで、花形が良く、着花数を多くすることを狙った交配種ではないかと勝手に推測しています。紹介の株は、花径サイズは13㎝前後で5輪の着花(写真左)です。今年は5花茎の花が順番に上がり3番目の開花写真ですが、4番目の花茎は3輪で蕾の状態(写真右)です。開花日数が短いのですが、開花するとインパクトの強い花なので蕾の段階から開花までを楽しむことで少しカバーできるのではないかと思います。
cristataの自生地は、コロンビア、ペルー、ベネズエラなどの海抜200~1000mの地域です。herreraeは、エクアドルで海抜700~1200mの湿度の高い山岳林でみられるとのことです。栽培は、比較的簡単でカトレヤと同じ場所で栽培しています。夏は少し暑がるようなので、今年は自宅に持ち帰って、風通しの良いベランダ育てたところ、これまでより充実した株になり、花付きも良くなりました。
栽培・写真と文:冨澤 實