Japan Amateurs Orchids Society

こんな花が咲きました

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Cahuzacara Prism Rain ‘Aries’


 この株は2018年ころ山梨の草月園で求めたものです。たしか咲いている花を見て欲しくなって購入したと思います。
 花に関してはご覧のとおり優し気なピンクのペタルとセパルに、リップに濃いスジのアクセントが入る美しい中輪花で、約10センチの大きさです。
Cahuzacaraと言う人工的に作られた属に興味をひかれたので、この株の成り立ちを調べてみました。親株は、Cahuzacara Miura Otome × Cattleya Mini Song です。オーキッドバレーミウラの作出した株で2009年の登録と分かりました。さらにさかのぼると、Miura OtomeはBrassanthe Maikai × Rhyncholaeliocattleya Mount Hoodと、たどることができます。このへんで止めておきますが、行き着くところはかなりの原種に突き当たることと思います。Cattleya Mini Songについては須和田農園の作出であり、24の原種カトレヤから成り立っていることが分ります。交配種のカトレヤはかなり複雑な生い立ちをもっているものなのだと感じました。

 作出者からのコメント
 Chz.Miura Otomeは丈夫でよく咲き、弁質の良いミディカトレア交配で、誰からも可愛がってもらえるようにと願い交配したのですが、期せずして入賞花もたくさん出ました。 花もちも大変良い優秀花で、両親とも丈夫な品種なので現在は再々実生苗を販売中です。 当地に三浦乙女というやさしいピンク色の花の椿がありますが、たまたま付けた品種名とも違和感なしです。
 このMiura Otomeの良さを使ってもう少し小型で色彩のバラエティも楽しめるようとC. Mini Songと交配したのがChz.Prism Rainでした。
 地元らん展などで未登録のうちにほとんど販売したので、展示会など出品されたことはほぼありません。現在は当園には1株も残っておらず、長く愛培していただきありがとうございます。
 期待通り花もちもよく表情のある花が咲き、ややコンパクトになりました。その後、ミウラオトメを使った交配は少なく、ミウラオトメ作出時に使用した特殊個体Bsn. Maikai ‘Miura'(花弁にドット模様なく、’Mayumi’より弁幅やや広い個体)を使いいくつかの品種は作っております。
以上 オーキッドバレーミウラ 稲嶺 様

栽培・写真・文:佐藤 攻

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