この花は2020年11月の例会で須和田農園さんが販売していた花を見て求めた株です。淡いレモンイエローにピンクの点が入るあまり見たことのないタイプの美しい点花だと思い購入しました。この花は、須和田農園さんの交配で2008年にRHSの登録の花です。
NS10.5㎝の中輪花で細身のバルブに対して大きな花が咲くので、実際のサイズより大きく見えます。フラットに展開し、整形で派手さはないですが美しい花です。
交配親は以下の花で片親は須和田農園さんの交配種でした。
Rhyncholaeliocattleya Vicky Gold (K.Ejiri 1987 RHS登録)
x Cattleya Lulu (Miyamoto 1990 RHS登録)
Vicky Gold は濃いイエローの中輪花で、Luluは、ピンク色の花弁に濃い赤の点が入る点花でした。Insect Wingの花形とリップは親のVicky Goldに似ていて、これにLuluの点が入ってこのような色彩となったものと思われます。しかし、Vicky Goldのイエローは濃いイエローであり、Insect Wingが淡いレモンイエローになるのは、なぜなのか? という疑問が沸きます。さらにVicky Gold の親を調べるWaikiki Goldが親になっており、この花の画像を調べてみるとWaikiki Goldはイエローの濃いものもあるがレモンイエローの花もありました。花弁のレモンイエローのルーツは、Waikiki GoldのDNAを継承しているのだろうと推定され、自分なりに納得できました。
この花の紹介をするにあたって、交配のルーツをたどってみましたが、時間があればこのような楽しみ方も面白いと思います。
栽培・写真・文:冨澤 實