Japan Amateurs Orchids Society

こんな花が咲きました

こんな花が咲きました

「こんな花が咲きました」のコーナーへようこそ

Pleurothallis quadrifida (Lex.) Lindl.


 今回ご紹介しますのは、原種Pleurothallis [Stelis] quadrifidaです。以前はStelis quadrifidaで知られていましたが、現在はシノニムになっていました。Stelisは、ラテン語で“ヤドリギ”。quadrifidaは中南米の広範囲に分布し、高湿度の森林に着生しています。葉は楕円形でビーバーの尾状の革質。葉元から穂状に20㎝程の花芽を伸ばして、眼にも明るいライムイエローの小花を咲かせます。花弁はガク片が発達し、全体として3弁花様に。ややうつ向きかげんで弁先が反っているのでスズランにも似た姿。爽やかな微香も有りますよ。
 最初見た時は、長い花穂からDendrochilumかと思い、ラベルを確認するとPleurothallis ghiesbreghtianaでしたが、入手して4年、属名・種名も変更されました。(Kewで調べてみるとPleurothallis quadrifida のシノニムは26種類ありました。)Pths.属は風変わりな種が多いイメージでしたが、このquadrifidaはそんな中で正統的に可愛い鑑賞価値のある花だと思いました。
 今回、過去の開花写真を探して振り返りましたところ、律儀に毎年12月に開花。しかしながら、芽数に比べると一昨年の方が花着きが良かった! これは植え替えが必要だと気付きました。
 常時根が湿った状態が良いので、プラスチック鉢にバークチップで容易に栽培できます。
 病害虫にも暑さにも強く、葉だけでも楽しめるお薦めの一株です。

栽培・写真・文:宮澤政子

「こんな花が咲きました」の過去ページへ  トップページへ