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こんな花が咲きました

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Phalaenopsis Anna-Larati Soekardi


 今回ご紹介するのは、ファレノプシスの小型の交配種、アンナ-ララティ ソエカルディ(Phalaenopsis Anna-Larati Soekardi)です。プルチェリマ(Phalaenopsis pulcherrima)とパリシイ(Phalaenopsis parishii)という原種同士を掛け合わせたもので、1980年にコロパキン(A. Kolopaking)が登録しました。登録時には、プルチェリマはまだドリティス属(Doritis pulcherrima)でしたので、最初に登録された時の本種の属は、ドリテノプシス(Doritaenopsis)でした。
 プルチェリマは、ピンク色のコチョウランを作るための交配親として有名な原種で、本種のペタルやセパルのピンク色、リップの赤紫はプルチェリマから受け継いだものです。また、プルチェリマは花茎が長く直立しますが、その特徴も表れています。
 一方、パリシイは葉の長さが10cmほどしかない小型の原種で、花茎もほとんど伸びません。写真の株では、リップの形はプルチェリマよりパリシイに似ているようです。また、花茎の長さがプルチェリマほど長くないところもパリシイの影響でしょう。
 ところで、登録者のA. Kolopakingは、インドネシアの有名なラン収集家でパフィオペディルム・コロパキンギイ(Paphiopedilum kolopakingii)の名前の由来ともなったAtmo Kolopakingです。

<栽培者より>
 この株は2015年にK Botanicalから購入したものです。原種のパリシイが可愛らしくて何回かチャレンジしたのですが、我が家の環境には合わないのか枯らしてしまいました。本種は花がパリシイに似ているので購入したのですが、丈夫で毎年よく咲いてくれて気に入っています。栽培管理は普通のカトレヤなどと同じにしています。(筆者注:少し系統の離れた原種同士を交配すると、それぞれの親の性質の強い部分が優先的に現れるので、生育旺盛になる場合があります。これを雑種強勢といいます。)

2024年2月17日
文・写真:古城鶴也 栽培:里見武志

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