蘭友会より
このたび縁あって当会会員齋藤 清様のご厚意によりメキシコに自生する原種ランをホームページにおいて掲載する運びとなりました。齋藤 清氏におかれましてはプロフィールが示すように多くの野生のランと長いあいだ親しんで栽培し、写真撮影をしてランの神秘的な神髄に迫りました。当ホームページにおいては齋藤 清氏が、厳選された属種の写真と解説をして毎月の連載とする予定です。多くの方々に見ていただけましたら幸いです。
はじめに
私は半世紀近くメキシコで仕事をしてきましたが、30年程前から現地の蘭に興味を持ち、収集するようになり入手したランの写真を撮影してきました。幼少期から植物に興味を持っていましたので仕事の合間の趣味として楽しんできました。蘭に関しての学術的な勉強はしていませんし、写真撮影の特別な技術も持ち合わせませんでしたが、撮影時には出来る限り正確明瞭な写真を撮ることに集中しました。そんな中で、兼ねてから少しずつ進めてきた写真集「メキシコの野生ラン」を出版しました。
写真集には、現在メキシコで確認されている約1,300種の中から433種の原種を掲載しました。世界的な環境破壊、特に、森林破壊により多くの野生ランが絶滅し、今でも絶滅の危機に直面しています。こうした環境破壊は個人の力では防ぎようがありません。せめて、写真で残しておくことが微力ながらの貢献かと思っています。そして、メキシコの野生ランを日本の愛好者の方々に知ってもらいたいというのが希望でした。
昨年、蘭友会に入会させて頂いた後で、既に日本でも随分多くのメキシコの野生ランが普及していることを知り驚きましたが、体系立てた写真集として提供しますのも意味のあることだと思っています。
上で紹介した写真集の中から蘭友会のホームページにランの写真と解説を掲載するに当たって、メキシコの固有種を中心にして幾つかの属種を選んでみました。ラン愛好家の方々をはじめ多くの方々にご覧いただけたら幸いです。
2022年9月 齋藤 清
齋藤 清氏プロフィール
大学卒業後、日本のメーカーに入社。1972年、駐在員としてメキシコに赴任。
その後独立、株式会社TOA-MEXを設立。メキシコには都合48年間過ごすし、その間野生ランと出会いその魅力に感銘を受けて野生ランの写真撮影を始める。
2020年 私家版「メキシコの野生ラン」上梓。