2022年11月メキシコの野生蘭
Bletia Ruiz & Pav.1794
Bletia属は33種が知られています。ほとんどの種が球茎を持った地生ランで、地中の球茎から伸びた笹の様に細い茎の上の方に花をつけます。稀に着生するものもあります。
米国のフロリダからブラジルにかけて広範囲に分布し、標高2,700mまでの牧草地や野原等に自生しています。
Bletia adenocarpa (ブレティア アデノカルパ) Rchb. f. 1856
メキシコ固有種。シナロア、ハリスコ、コリマ、ミチョアカン、ゲレロ、オアハカ州の太平洋側のオーク林で時期により乾燥する地帯に自生しています。自生地の標高は1,000～1,900mです。春から秋にかけて開花します。
Bletia campanulata（ブレティア カンパヌラタ） La Llave & Lex. 1825
メキシコから中南米に分布し、標高1,500～2,100mに自生しています。メキシコではナヤリ、ハリスコ、ミチョアカン州で観察されています。地生ランで地下に小さな球茎があります。花茎は50cmほどにのびて2～5輪の花を付けます。花は全開せず半開きの状態です。 夏に開花します。
Bletia coccinea （ブレティア コクシネア）Lex. 1825
メキシコの固有種です。モレロス、ミチョアカン、ハリスコ、ゲレロ、オアハカの各州の標高1,500～2,000mの草地に自生しています。地生ランで冬を越した球茎から翌年新芽を出します。スペイン征服以前、原住民はBletia coccineaの球茎（径が3～4cm）から取り出した糊で祭りに使用する羽飾りを作っていました。
花は春から秋にかけて咲きます。この写真はモレロス州のココヨクの近く標高2,000mのトウモロコシ畑の畔で撮影しました。
Bletia lilacina （ブレティア リラシナ）A.Rich.& Galeotti 1845
メキシコの固有種です。ハリスコ、ミチョアカン、ゲレロ、オアハカ州の標高2,000～2,300mの草地に自生しています。卵型の球茎があります。開花の時期は冬です。
Bletia macristhmochila（ブレティア マクリストモキラ）Greenman 1897
メキシコ固有種です。メキシコの西側にあるシナロア、ナヤリ、ミチョアカン、ゲレロ、オアハカ州の標高1,000～2,000mの森の空き地やその周辺の草地に自生しています。小さな球茎を持ち花は春に咲きます。
Bletia punctata（ブレティア プンクタタ）Lex. 1825
メキシコの固有種です。グアナファト、ハリスコ、ミチョアカン、モレロス、ゲレロ、オアハカ州の標高1,500～1,900mの草地に自生しています。開花は夏です。
Bletia purpurea（ブレティア プルプレア） (Lam.) A.DC. 1840
米国のフロリダからブラジルの北部に至る広範囲に分布しています。自生地は標高2,000mまでの草地です。地中に球茎を持っています。森の樹木の根に着生している場合もあるようです。また、カリブ地方ではこの球茎を煎じて薬用にしているようです。一部の花は閉花受精をしますので花が全開しないものもあります。メキシコではチャパス地方の国道の側らで群生しているのが見られます。
Bletia reflexa（ブレティア レフレクサ）Lindl. 1835
メキシコから中米のパナマまでの地域に分布しています。メキシコではソノラ州からチャパス州に至る各州で見られます。標高1,200～2,500mの草地に自生しています。小さい球茎を持ち、秋から冬にかけて開花します。
Bletia jucundaはBletia reflexaの別名です。
Bletia roezlii （ブレティア ロエズリ）Rchb. F. 1876
メキシコから中米のニカラグアに至る地域に分布します。メキシコではソノラ州からオアハカ州までの標高600～2,200mの草地に自生しています。写真の株はメキシコ州マリナルコの標高1,600mで撮影したものです。
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