Japan Amateurs Orchids Society

2024年2月メキシコの野生蘭

Mormodes (モルモデス)Lindley 1836

写真・解説文:齋藤 清

モルモデス属は、メキシコから中米、南米のブラジルまで広く分布する着生ランです。現在、KEWにより85種が認められています。この内メキシコには17種のモルモデスが自生しています。所謂、タケノコ蘭ですからCatasetum(カタセトゥム)やCycnoches(シクノチェス)と同じようにタケノコに似たバルブを有します。しかしMormodesの特異なところは一つの個体から出る一本の花茎に雄花、雌花、両性花が同時に出現することがあると言われています。(Catasetum, Cycnochesでは一つの個体からある時は雄花が、また、ある時は雌花が咲きますが、これらは一本の花茎から同時に出ることはありません)。
栽培方法としては、根が空気を好みますから籠等に入れて吊るして育てると良いです。


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Mormodes lineata (モルモデス リネアタ)Bateman ex Lindley 1841

Mormodes lineata (モルモデス リネアタ)Bateman ex Lindley 1841
メキシコ、グアテマラ、エルサルバドール、ホンジュラスの標高500-1,000mの樹木の枯れ枝に着生している場合が多く、葉は扇状に伸び、開花の前に落葉します。メキシコではオアハカ州、チアパス州に自生していて、秋から冬にかけて開花します。花茎はバルブの節の間から伸びて、成長した株では一つの花茎に10輪を超える花をつけます。花は秋から冬にかけて開花します。

Mormodes luxata (モルモデス ルクサタ)Lindley 1842

Mormodes luxata (モルモデス ルクサタ)Lindley 1842
メキシコの固有種です。シナロア、ドゥランゴ、ナヤリ、ハリスコ、ミチョアカン州の大平洋側スロープ、標高1,400-2,100mに自生しています。直径6cmほどの花が冬に開花します。

Mormodes maculata(モルモデス マクラタ) (Klotzsch)L.O.Williams 1950

Mormodes maculata(モルモデス マクラタ) (Klotzsch)L.O.Williams 1950

Mormodes maculata (モルモデス マクラタ) (Klotzsch)L.O.Williams 1950
メキシコ固有種です。ハリスコ、ゲレロ、オアハカ、ベラクルス、プエブラ州の標高600-2,200mの樹木に着生しています。花期は秋から冬にかけてです。
下段の写真の花は変種のMormodes maculata var.unicolorです。

Mormodes sotoana(モルモデス ソトアナ)Salazar 1992

Mormodes sotoana (モルモデス ソトアナ)Salazar 1992
メキシコ、グアテマラ、ベリース、コスタリカの標高500-1,100mに自生します。 花期は冬から春にかけてです。
メキシコ国立自治大学(UNAM)の教官Geraldo Zalazar一行が、メキシコのチャパス州を調査した時に発見した、比較的新しい種です。

Mormodes tuxtlensis(モルモデス トゥクストレンシス) Salazar 1988

Mormodes tuxtlensis (モルモデス トゥクストレンシス) Salazar 1988
メキシコの固有種です。メキシコ湾側のベラクルス州、チアパス州の一部の標高500-1,200mに自生しています。花期は春から秋にかけて。

Mormodes uncia(モルモデス ウンシア)  Rchb.f. 1869

Mormodes uncia (モルモデス ウンシア) Rchb.f. 1869
メキシコの固有種で、オアハカ州の山岳地帯、標高1,700-2,100mに自生します。
自生地域が限定されているので大変希少種です。高地に生息しているため、涼しい場所を好むランで春に開花します。  

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