今月の表紙の花はCattleya jongheanaを選んでみた。Cattleya jongheanaの自生地はブラジルミナスジェライス州中央部。標高1300m~1600mの比較的限られた地域の森林に分布する着生種である。
展示会などでは花をたくさん付けた大株を見たことが無いので、栽培はやや難しいのだろうと思うし、私も何度か挑戦しているが植え替え時期が適期でないのかいつもながらうまくゆかない。この種は、冬場に芽が出て成長し、早春に開花するので良い花を確実に咲かせるために芽カキを行ってみたところ、小さな株に比べて比較的大きな花が着花した。ポイントは成長期には水を切らさないようにすることと、丁寧な植え替えをしてあげることのようである。
jongheanaをはじめとするブラジル産の旧Laelia属、例えばalaorii,pumila,は、一旦Sophronichisに移行し、さらに今ではCattleya属に分類されている。分類は研究者によって様々であるが、以前は4個の花粉塊をもつ株がCattleyaで、8個の花粉塊を持つのがLaeliaと分けられていたようである。現在では遺伝子解析によって分類が行われているが今でも昔の名残だろうかHadrolaelia(ハドロレリア)という表記をときどき目にすることがある。レリアのサブセクションとしてSchlechterが分類したものであり、紹介するjonjheanaやpumila,alaoriiなどの種を指すことが多いが、Kewではシノニム扱いとなっている。
データ 2017年実生苗 2018年初花 プラ鉢植え替え 2019年3月15日NS:14,5cm×13,5cm
撮影・HP作成:佐藤 攻