今月は、11月例会出品花の中から、人気投票2位にも入ったBulbophyllum maxillareの紹介です。
maxillareは、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニアなどの標高50m~800mの高温多湿の熱帯雨林の幹に着生する種です。個性的な花の形、独特の形をした赤いペタルの内側に黄色の縁どりがあり、個性派の蘭を好む方にとっては魅力的な種でしかもきれいな花です。
花の開花期は、春から秋にかけて咲くことが多く、不定期に咲く種のようです。栽培者の鈴木氏に確認するとバルブが完成し、充実すると花芽が上がり、春から秋にかけて良く開花するとのことでした。しかし、良く咲くが今回のように一度にたくさんの花芽が上がったのは初めてとのことでした。
栽培について鈴木氏に伺ったところ、多湿を好むのでプラ鉢に水苔植えで、高湿度と弱光の環境が適することから、通年棚下で乾かさないように注意して栽培しているとのことでした。この種は、匍匐系が伸びるタイプで、すぐに鉢から飛び出すため、少し大きめの鉢に植え、リードを鉢内に誘引してまとめるようにすれば、鉢内で見栄え良く育てることができるとのことでした。
今回は、2輪の開花での出品でしたが、つぼみが咲き揃った状態に思いも馳せての紹介でした。
2020年10月18日サンシャインシティ7F会議室にて
栽培者:鈴木隆夫 撮影・記:冨澤實