Japan Amateurs Orchids Society

2021年8月原種紹介

Cattleya bicolor Lindl., Edwards’s Bot. Reg. 22: t. 1919 (1836).

Cattleya bicolor Lindl., Edwards's Bot. Reg. 22: t. 1919 (1836).

 2021年8月になっても新型コロナ感染症の拡大は全国規模で増すばかり。ワクチンを2度接種した我が身ではあるが、基礎疾患も抱えているのでこの際出席は取りやめにした。そこで、出席したら持参したであろうCattleya bicolorを取り上げてみた。
 Cattleya bicolorはブラジルのミナスジェライス、エスピリトサント、サンパウロなどの広い範囲に自生している二枚葉系カトレヤである。
 Kewをチェックしてみると、以下のように複数の亜種が記載されている。これらは何を意味するか知りたいところであるが、自生地にあっては自然交雑が指摘されたりして難しい問題をはらんでいるようだ。以前Cattleya grossiiがあったが今では、Cattleya bicolor subsp. minasgeraensisとなっている。bicolorと自然交雑が考えられるのは、Cattleya elongata,Cattleya harrisoniana,Cattleya tenuisなどの二枚葉系カトレヤがあげられる。

 Cattleya bicolor subsp. bicolor.
 Cattleya bicolor subsp. brasiliensis Fowlie, Braz. Bifol. Cattleyas: 28 (1977).
 Cattleya bicolor subsp. canastrensis L.C.Menezes & Braem, Schlechteriana 3: 54 (1992).
 Cattleya bicolor subsp. minasgeraensis Fowlie, Braz. Bifol. Cattleyas: 22 (1977).

 Cattleya bicolorは成長すると、比較的細身のバルブが40cmから50cmほどになる。花は、クラスター咲もあるようだが、私の栽培株ではせいぜい3輪がいいところである。なお、本場ブラジルでは50cm~75cmほどの高さになるそうである。
4枚の写真は私の温室で咲いたCattleya bicolorである。左上の花は昨年の例会株市で入手したセルレア個体であって、清水会長の愛培株である。‘Dos Pinhos’と固体名のついた花だけあってリップのハリが良く展開の良い花である。
 栽培は、比較的容易であるが普段の手入れを怠ると、以外にもあっけなく枯れてしまう。その証拠というかセルレア以外の花はいずれも枯らしてしまった花なので、この‘Dos Pinhos’だけは枯らさないようにしたいと思っている。

2021年8月22日 栽培・撮影・記・佐藤 攻

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