今月の花は清水達夫氏の出品花Habenaria rhodocheilaを選んでみた。それほど大きくない花にもかかわらず色鮮やかな黄色が出品株の中で目立っていた。
Habenaria属は熱帯、亜熱帯、温帯のアジアをはじめ南北アメリカ、アフリカなど世界の広い地域に分布する地生蘭であり、日本のサギソウ(Habenaria radiata)もその仲間である。
Habenaria rhodocheilahの自生地はミャンマー、ラオス、タイ、ベトナム、中国、フィリピンなど東南アジアの熱帯から亜熱帯である。自生しているところは標高200m~1200mほどの森の中であり、湿潤な環境を好むようだ。広範囲にわたる自生地のためなのか花の色も赤、ピンク、オレンジ、黄と熱帯地域の花らしく色彩豊かに存在感を示している。
清水達夫氏が出品したこの花は、昨年入手された株とのことで、自宅温室にて栽培とのこと。
なお、rhodocheilaには、Habenaria rhodocheila subsp. rhodocheila. Habenaria rhodocheila subsp. philippinensis (Ames) Christenson, Lindleyana 7: 90 (1992). と2つのsubsp.(亜種)があることを記しておく。
2021年11月21日 東医健保会館
栽培:清水達夫 撮影・記:佐藤 攻