今月の表紙の花は冨澤 實氏出品のPorpax extinctoriaである。Porpax属は赤道を挟む熱帯アフリカから熱帯・亜熱帯のアジア諸国など多くの地域に広がっている。また、現時点で63の原種から構成されている。
紹介するPorpax extinctoriaはネパールとミャンマーで発見された種で落葉性タイプの種である。二国の他バングラディッシュ、ラオス北部などが自生地である。
花のサイズは7,8mmで1cmに満たない大きさであるが、花に比べて長い花茎が特徴である。小さな花ではあるがリップにほんのりと朱赤がさして好きな人にとってはたまらない魅力だと思える。花の変化は少ないようだが多少の濃淡はうかがえる。最近ConchidiumからPorpaxへ移行したばかりだが参考までに下記にシノニムを記しておいた。
Synonyms
Eria extinctoria (Lindl.) Oliv., Bot. Mag. 97: t. 5910 (1871).
Pinalia extinctoria (Lindl.) Kuntze, Revis. Gen. Pl. 2: 679 (1891).
Conchidium extinctorium (Lindl.) Y.P.Ng & P.J.Cribb, Orchid Rev. 113: 272 (2005).
栽培者からのコメント
この花は、2018年3月の蘭園見学会でタイ・ハナジマオーキッドに行ったときに開花株を購入したものです。この時から植え替えることなく、現在に至ってます。暖かい間は自宅のベランダ、寒くなってからは室内の出窓で育てており、毎年良く咲いてくれます。
2022年4月17日東医健保会館
栽培・コメント:冨澤 實 撮影・文:佐藤 攻