今月の花は、2023年11月例会に出品された人気投票第2位となったPleurothallis phalangiferaの紹介です。
ネットで調べてみると南米コロンビア、ベネズエラ、エクアドル、ペルーが原産で標高1200m~3200mに自生するクールタイプの蘭です。出品者の清水会長に栽培環境をお伺いすると、やはり冷房設備を備えたクール温室で栽培されているとのことでした。株の入手は、今はなくなったJ&Lオーキッドのセレクト株で ‘Fox Den’ という個体名で販売されていた株を、20年くらい前にプレオーダーして東京ドームに持って来てったもらった株とのことでした。
この蘭の原生地の環境を考えると首都圏では冷房施設が無いと、なかなか育てられない属種だけにあまり見ることのできない花だと思います。また、多くの蘭の花はペタルが大きく目立つ形状をしていますが、Pleurothallis属はペタルが小さいことが特徴の一つで変わった形状をしています。特にこの花のペタルは細く長く髭のような変わった形状をしていて、この花を見ていると森の妖精たちが踊っているようにも見えて、原種好きにはとても魅力的な花だと思います。
栽培:清水達夫・文と撮影:冨澤 實