今月は、Vanda insignisを紹介します。
バンダの原種は、網目が美しいcoeruleaやlamellata、tricolor、小型のminiata、国内にも自生するfalcataなどが思い浮かびます。そんな中でもinsignisは、黄色地に茶褐色に斑点のある花弁に中央の葯帽周りが純白でリップは紫という個性的な色彩をもつ花です。花の大きさは6〜7cm。今回紹介する花は、8月例会に出品された花で、一般には斑点となる花弁が、花弁全体が光沢のある濃い茶褐色で他のVanda種には見られないとても綺麗な花でした。
Kewによるとバンダの種は90種もありました。自生地は、インド、東南アジアからオーストラリア北部まで広く分布していましたが、当然、種によって自生地の分布域が異なっています。 insignisはマレーシアとインドネシアのスンダ列島、モルッカ諸島の高温から温暖な地域に自生する種でした。
<栽培者からのコメント>
この花は、インドネシアのスンダ列島の固有種です。栽培は、冬期は17~20℃に保ち、6月からは外で50%の遮光下で育てています。施肥は6月から15日に1回、液肥を与えています。注意点は水遣りのときに頭に掛けないことです。
2024年8月
栽培者:木本博佳 記・撮影:冨澤實