Japan Amateurs Orchids Society

2025年2月原種紹介

Tolumnia calochila (Cogn.) Braem (1986)

Tolumnia calochila (Cogn.) Braem (1986)


 今月は、2025年2月例会の出品されたTolumnia calochilaを紹介します。
 筆者は初めて見る種で、出品ラベルはOncidium calochilumでしたが、Kewによると現在はTolumnia calochilaのシノニムとなっていました。また、Tolumnia属には27種がKewに登録されていました。
 Tolumniaへの属名変更前は、従来からミニタイプのオンシジュームとして交配種が多く市場に出ており、筆者はオンシジュームと思っていました。例えばTolummia Jairak Flyerなどです。
 Tolumnia属の自生地は、キューバの南東に位置するイスパニョーラ島(ハイチ、ドミニカ共和国)の海抜 1500 メートルまでの乾燥地帯の乾燥灌木地帯に自生する種です。Tolumniaはメキシコからコロンビア・ベネズエラの中南米諸国およびキューバからプエルトリコにかけての国々に分布しています。
 この蘭の特徴や栽培等につきましては、栽培者からコメントして頂いた内容に詳しく記されていますので、ご参照ください。

<栽培者からのコメント>
 ご紹介いただきありがとうございます。
 この株は購入して4,5年ほどになります。北軽ガーデンさんから購入致しました。
 7~8cmの細く肉厚な刺の様な面白い草姿をしています。花も翼を広げた黄色い鳥の様な面白い形状で、毎年開花が楽しみです。
 年に2バルブ伸びてきますが、花は決まって2つ目のバルブにのみ咲いています。今のところリードも1バルブに1つのみ。購入時に着いていた小さなコルク片に今も収まっており大株になる様子はありません。日陰に吊るすと、途端に生育が悪くなるようなので温室の最も日当たりの良い場所に吊るしておくと調子が良く育ちます。
 毎年2輪の花を咲かせていましたが今年はバルブが例年よりも大きくなり、初めて3輪の花が咲きました。ネットを検索した情報によると最大6輪まで着花するようなので、まだまだ満作には至っていないようです。

 我が家での栽培方法は、夏季は75%、春秋は50%程度の斜光で、灌水は毎日たっぷりと与えますが通風を良くしてドライインターバルはしっかりと取ります。
 冬場の最低温度は18度程度。肥料は週に1度3000倍程度の液体肥料を与えています。


栽培・撮影・栽培者コメント:丹羽一樹 記:冨澤實

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