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会員:香川義熙
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第1回「露出」について
第2回「光の当て方」について
第3回「ピントと絞り」について
第4回「バック処理」について
第5回「花色を正しく撮る」
ランを栽培する者、咲かせた花色を正しい色に撮りたいのは当然です。ところがこれが案外難しいのです。第1回の「露出」の項でも簡単に述べましたが、その後ご質問や白花撮影の難しさが話題になりましたので、詳しく補足したいと思います。
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正しい色に撮影するには、適正露出のみでは解決できない。上級者やプロの先生方でも常に闘っているテーマだと思います。初心者向きに書き始めたこの稿でここまで書くのはどうかと思われますが、露出の+−のみで調節できるほど単純ではなく、光の当て方にも関係します(第2回)。太陽光と人工光で異なり、カメラのホワイトバランスを駆使しても恐らく完全な補正は無理です。また、順光と逆光撮影でも花色の調子は違ってきます。バックの色に左右されることもあります(第4回)。 |
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上の写真は、撮り難いとされる白花で例を示しましたが、カトレアに多い赤花(ラベンダー系)には、種や個体によって赤紫の色合いが微妙に異なる、これらも正しい表現はなかなか容易でない。黒っぽい背景で、ほどよい自然光(太陽光)の順光、適正露出で撮影するのが最も実物色に近く撮れるのではないでしょうか。
同じ太陽光と云っても、30分、1時間経って同じ場所で、同じ条件で撮り直しをしたら、もう前の作品とは調子が違うという経験があるでしょう。太陽や雲の自然現象は刻々変化している、これらが微妙に作品の調子に影響する。また、早朝と夕方は太陽の色温度の変化があることも知っておくべきです。
これは質問を受けた例ですが(右写真)、花弁(ペタル)の色を大切にしょうと思えば、リップが白く飛ぶという。
さて、もう少しアンダー(−)に撮れるとは思うが、一番よいのは全体に光線が強いと思われるので、光源との間にビニールを1・2枚入れて遮光する。リップの照っている部分にのみ覆うこともよいでしょう。私はこのような時のためにクリーニング屋さんから戻る衣服に覆われたビニールや雨天の新聞配達に包まれたビニールを大事に取ってある。これが使いやすく役立っています。
このように、写真を理解すればする程、難問が次々とやって参ります。花色を正しく写すのは難しいです。 |
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次に、撮影したデジタル画像をパソコンに取り込んだ場合の、私が感じていることを記しておきます。
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私はカメラを直接プリンターに繋いでダイレクト・プリントをした経験はありません。 撮影画像をパソコンに取り込んでプリントする際の経験ですが、使用するプリント・ソフトによって、かなりプリントの仕上がり調子が異なることに気付きます。上の写真は同じ画像データーを、同一メーカーの何種類かあるソフトで夫々プリントした場合こんなに出来上がりが違うという例です。この違いはメーカーも認めています、「お好みに合った方をお使い下さい」という事でした。
また、パソコンで見る画面とカメラレンズが認識する、いわゆる写真で見る照度はかなり違う事も知っておくべきでしょう。パソコンの液晶画面は相当に明るいです、それを念頭にプリントすると写真は予想に反し暗く仕上がって出てきます。これもメーカーは認めています。
ポートレートで女性や子供の肌色を透明感ある、健康的に表現するのは難しいように、花熱中症のランマニアに「コレダッ!」という花色仕上がりはなかなか難しい。「まあいいかっ…!」と妥協してしまいます。
初心者向けと題したこの稿に、今回は難しいことを書いてしまいました。よく耳にすることですが、簡単に「このカメラ(プリンター)は駄目だ!」と決め付けずに、撮影する側にもいろいろあるんだ! 正しい色に撮影・プリントするのは難しいのだ! と分かって頂ければ幸いです。 |
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(第5回)
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